着物の保管方法で気をつけるべきこととは?ご説明しましょう。

日本の民族衣装である着物。普段着にしている方はごく一部ですが、七五三や成人式などであつらえたという方も多いでしょう。
しかし、着物は不用意に保管していると、いたみやすいものなのです。
そこで、今回は着物の保管方法をご紹介します。
いったいどのような場所で保管すれば品質をたもてるのでしょうか?
また、お手入れの仕方などもご紹介します。
これから着物を作るという方や着物を親からたくさん受け継いだという方は、ぜひこの記事を読んでみてくださいね。

  1. 着物の保管はなぜ大変なの?
  2. 着物の保管場所や保管の仕方とは?
  3. 虫干しのやり方とは?
  4. おわりに

1.着物の保管はなぜ大変なの?

現在の着物は、ほとんどが正絹といって絹100%です。
着物が普段着だった頃は、木綿の着物もたくさん作られていました。
木綿の着物ならば洗濯もできますし、多少湿気の多いところで保管しておいてもそれほどひどくはいたみません。
しかし、絹は動物性の天然繊維です。湿気の多いところで保管していると、タンパク質を栄養源にしてカビが発生しやすいでしょう。
また、金糸や銀糸が縫い込まれている着物は湿気によって金属が変色したり劣化したりします。
さらに、虫も着物を劣化させる大敵です。
タンパク質が含まれている絹糸は、虫にとって格好の栄養源。ですから、何も対処をせずに放っておくと穴だらけになってしまうでしょう。
つまり、着物そのもののお手入れが大変なのではなく、着物の素材によってお手入れが大変になるというのが本当です。
ですから、正絹で金糸銀糸が縫い取られた高価な着物ほど、保管に気を使いましょう。
その反面、浴衣のような木綿の単衣(ひとえ)や、化学繊維の着物は洋服と同じように保管しても大丈夫です。

2.着物の保管場所や保管の仕方とは?

では、着物はどのような場所に保管をすればよいのでしょうか?
この項では、保管方法とともにご紹介します。

2-1.桐(きり)のタンスが着物の保管に適しているわけは?

着物の保管というと桐(きり)のタンス、というイメージがある方もいるでしょう。
桐(きり)は板になっても呼吸をしています。
ですから、湿気を嫌う着物にとっては最高の保管場所なのです。
逆に、現在主流のプラスチック製の衣装ケースは湿気を逃さないので着物の保管には向きません。
「桐(きり)のタンスを置く場所がない」という場合は、桐(きり)製の衣装ケースも販売されています。
これならば、プラスチック製の衣装ケースと同じように保管できるでしょう。
また、桐(きり)のタンスでなくても木製のものであれば、除湿効果は期待できます。
ただし、いくら桐(きり)のタンスでも、着物をぎゅうぎゅうに詰めこんでは、湿気を防ぎきれません。
また、着物帯と着物は別々の場所にしまった方がよいでしょう。

2-2.着物はたとう紙に包む

買ったばかりの着物は、たとう紙という和紙でできた包装紙にくるまれています。
和紙は吸湿性が高いので、これにくるんで保管をしておけば、より湿気を防げるでしょう。
ですから、捨てずに取っておきましょう。
また、たとう紙にはどのような着物か記す欄があったり、一部がセロファン製になったりして中身がわかるようになっています。
ですから、着物の特徴を記しておけば、いちいちたとう紙を開ける手間も省けるでしょう。

2-3.防虫剤は1種類だけにする

着物をしまう場合には、必ず防虫剤を入れます。
現在の防虫剤は無臭のものがほとんどですから、においを気にする必要はありません。
ただし、防虫剤は1種類で大丈夫。
複数の種類を混ぜると、かえって着物に悪影響を与えます。
また、防虫剤とプラスチック製品は一緒に入れてはいけません。
化学反応を起こしてプラスチックが溶ける場合があります。

2-4.着物を保管する前に

着物を保管する前に、替ええりを取り汚れがないかどうか確認しましょう。
着物に汗などが染みこんでいると後でシミになる場合があります。
特に、七五三用の着物は小さい子どもが着るので汗以外の汚れもつきやすくなるのです。
心配な場合はクリーニングに出しましょう。

2-5.どうしても着物の保管場所がない場合は?

どうしても着物の保管場所が確保できないという場合は、呉服店の着物預かりサービスなどを利用してみましょう。
また、家のリフォームなどで一時的に保管場所が無くなる場合は、トランクルームなどを利用するのもひとつの方法です。
トランクルームの中には温度や湿度をコントロールされている物件もありますので、着物の保管にはぴったり。
また、着物の保管場所を作るまでの一時的な置き場にしてもよいでしょう。
着物は、保管状態がよければ100年近く持ちます。
また、洋服のように体に沿った作られ方をしていませんので、多少体型が違っても着られるのです。
ですから、よい着物をたくさん保管してある家では、3代くらい同じ着物を着続けることも珍しくないでしょう。
母が着た成人式の着物を娘が着るというのもすてきです。

3.虫干しのやり方とは?

では最後に、着物をよりよい状態に保つための虫干しのやり方をご紹介します。
着物をお持ちの方はぜひやってみてください。

3-1.虫干しとは?

虫干しとは、着物を衣装ケースから取り出して陰干しし、風を通して虫を取り除く作業です。
いくら桐(きり)のタンスでも、取り除ける湿気には限度があります。
ですから、年に2~3度衣装ケースから着物を取り出して、除湿をしてあげるのです。
かつては、夏、春、冬の年に3回虫干しを行っていました。
しかし、現代ではそれほど頻繁に行う必要もありません。
湿気の少ない冬のよく晴れた日に、3時間ほど陰干しにすれば十分です。

3-2.虫干しをしている間に、タンスも掃除しよう

虫干し自体は難しくありません。着物を専用のハンガーにかけて、4時間ほど陰干しにすればいいのです。
着物がたくさんあるという場合は、洗濯ロープを使いましょう。
着物は洋服と違い、型崩れすることがありません。
ですから、ロープに二つ折りにして干しても問題ないのです。
また、たとう紙も一緒に干せば除湿になります。
着物を干している間に、衣装ケースやタンスも掃除をしましょう。
ほこりを取り除き、乾いたふきんなどで中をぬぐえば大丈夫です。
また、防虫剤も変えておきましょう。
そうすれば、1年間は持ちます。
虫食いやシミなどを見つけたらつくろったりクリーニングに出したりしてください。
また、とてもよい着物の場合は、「洗い張り」といって着物を1度すべてほどいて洗い、もう一度仕立て直すことも行います。
これは、和裁ができなければ無理な作業なので、専門家に頼みましょう。

4.おわりに

いかがでしたか?
今回は、着物を上手に保管する方法をご紹介しました。
着物は洋服に比べて流行(りゅうこう)がありません。
また、大正時代の古い着物は「レトロモダン」といって人気があります。
最近は着物の人気も再び出てきて、着物で生活するための指南本などもたくさん出ているのです。
ですから、着物の保管方法を覚えていれば、役に立つこともあるでしょう。
今は、七五三や成人式の着物をレンタルで済ませる方も多いです。
しかし、着物は長く着られるので1枚作っておくと何かと便利でしょう。
特に、振り袖は結婚式の礼装としても大活躍します。
小物を変えればいろいろとアレンジもできるでしょう。
また、男性の着物姿も粋で格好がいいもの。
今は、古着であれば数千円で着物が手に入ります。
保管方法を覚えてすてきな着物ライフを楽しんでください。

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